前回の記事では、初めての妊娠時の記録を振り返ってきました。
私の初めての出産劇がはじまったのは、39週に入ってすぐのことでした。まだ1週間あるし・・・健診でも子宮口は開いていないし、まだ赤ちゃんは上の方にいると言われていたのでまだ生まれないだろうとタカをくくっていたのですが・・・
もくじ
はじめての出産一部始終
午前0時:出産のはじまり
いま思えば出産の前兆は、私が布団の中で夫に送ったこのLINEから見ることができます・・・。(注:元気ちゃんは胎児ネーム)
この夜はひと際お腹の元気ちゃんの胎動というか、もはやストライキが激しく、足は私の肋骨を猛攻撃。 頭と腕は私のおまたをズンズンおしてくる!!!!もうこれ以上されたら破けちゃう!!! そう思って、送ったLINEでした。。
午前3時:破水
夫にLINEを送った約2時間後の 午前3時過ぎ。 やっとウトウトとし始めた頃、お股のあたりで何かが弾けた感覚と共に、ものすごい勢いで破水!!!! ぴゅーぴゅーという効果音が聞こえるかのような勢いで、何十秒?もしかしたら何分間?流れ続けて、お布団は あっという間にびしょびしょになりました。
破水しながら、同じ部屋で寝ている母に向かって 「お母さん!破水した!!」 と伝え、私は動けないまま携帯で産院に電話。 「あと何分くらいでこれそうですか?」 ときかれて 「今からタクシー呼んで向かうので 20分くらいです」 と伝え、タクシー会社に電話しました。 ※母は晩酌していたので運転できず(笑)
私が連絡している間に、 母がバタバタと慌てながらも、大人用の紙おむつやら着替えやらをもってきてくれて、なんとか応急処置。そうこうしている間に、タクシーが到着したので、まとめていた入院グッズを持って、産院へ向かいました。この時点ではっきりとわかるような陣痛はありませんでした。
午前4時:まさかの展開
里帰り先の実家から母と二人でタクシーに乗り産院へ。途中、夫にも連絡しましたが、いつも寝るときは携帯の電源を切る彼。さすがにそろそろそわそわして電源くらい入れておいてくれているだろうと思いきや、電源OFF!!!!(笑) まぁ、今起きてもらっても新幹線もまだ動いてないし、しょうがないと思いなおし、LINEを送って返事待つことにしました。
午前3時半頃、産院に到着!! 夜間入り口から入って、階段で二階の病棟ナースステーションへ 。ナースステーションのなかで、熱と血圧を測ってもらい、赤ちゃんとお母さんの判別に使う タグなどを記入しました。
その後、陣痛室へ移動、病院のパジャマに着替え、助産師さんの内診。 このとき子宮口はまだ指1本分。でも破水しているので、このまま入院でした。
陣痛室でNSTと点滴を装着。 溶連菌の検査にひっかかっていたので この点滴をしながらのお産になるとのことでした。 NSTの最中、徐々に定期的なハリと生理痛の痛いときのような痛みがあったので、陣痛アプリで計測してみました。
測ってみたら、はじめは7分~8分、徐々に5分~6分間隔に なっていました。これは今日産める!!と、私は心の準備を始めました。
しかし、NSTの方はというと、 お腹が張っているときに何度か、赤ちゃんの心拍が落ち込むことがあり、1度は60台にまでなっていました。 赤ちゃんの心拍は130以上が 普通ですが、そのちょっと下あたりを うろうろ。看護師さん、助産師さんから、あまりいい状態ではないことがつげられ、しばらくNST継続。 2時間はつけていたでしょうか。 「お腹の中ではいつもあんなに暴れん坊だった元気ちゃんなのにどうした!?」と、心配になりました。
その後また看護師さんがいらして、「先生もこのNSTをチェックしたところ、 赤ちゃんの安全を考えて、帝王切開にするのがいいのではないか」ということを言われました。 もう少しだけ様子を見て、 7時には先生が来るので、またそのときお話があると言われました。
ちらつく、まさかまさかの帝王切開、逆子でさえなければ帝王切開になることは、まずないかなと思っていたので正直ショックでした。 帝王切開にしたら、次の子も帝王切開になることが多いんじゃなかったかな。とか、『コウノドリ』ではよく「帝王切開も立派なお産です!」 と言っていたけれど、陣痛を乗り越えての出産、経験したかった・・・。と、 いろいろなことがグルグル回りました。
夫にも幾度となくLINEしたけど 未だ既読ならず、、、 先生の登場を待っていました。
午前7時:緊急帝王切開に
AM7時過ぎ、夫からやっと電話!「 緊急帝王切開になるかもしれないけど、まだ先生からのお話待ち」ということを 伝えました。 寝起きの夫。 急なことにびっくりしてるようで「 え、なんで帝王切開になるんだっけ?」 みたいな感じでなかなか理解してもらえず(笑)
もともとは立ち合い出産をする予定でしたが、もし緊急帝王切開になったら、生まれる瞬間には確実に立ち会えないし、そのあとも1日は、生まれた赤ちゃんと私は別々の部屋だし、術後の何もできない私がいるだけなので、 わざわざそのために駆けつけてもらうのも微妙な気がする・・・という気持ちを 伝えました。仕事やその他の予定もつまってるだろうし、年末年始のお休みには来てもらえる予定にしていたので。
でもまぁ、もしかしたら ふつうの分娩になるかもという、わずかな希望を残して、先生から話があったら、また連絡することにしました。
それから30分ほどして、やっと先生登場。 いつもの優しい院長先生ではなく、もう一人のどこか他の病院からきてくれて、いつもは妊娠初期や婦人科の外来を担当していらっしゃるダンディな先生でした。
告げられたのは帝王切開。赤ちゃんが何度か私の陣痛の子宮収縮のときに、心拍が落ちていて、 これはもしかしたらなにか、赤ちゃんが苦しくなる理由が発生してしまっているかもしれない。 とのこと。
破水して今までとお腹のなかの環境も変わってしまったし、子宮口がまだ指一本分しか開いていないため、これからまだ長い時間お産までかかることが予想されるので、赤ちゃんの体力が持つか心配だと。あまり苦しくなっちゃうと、あとあと障害が残ってしまったり、赤ちゃんの命にもかかわることなので、と説明されました。
そう言われたら、、、 お願いしますというしかありませんよね。10ヶ月、私のお腹で一緒に過ごしてきて、大きく育ってくれた元気ちゃんが、 元気に生まれてくることが 1番!!!! 帝王切開!!!!どんとこーい!という気持ちに切り替えました。
午前8時:手術室ですっぽんぽん
手術室にはいると、 病衣を脱がされました。 周りではばたばたと手術の 準備をする看護師さん助産師さんたちが動き回っていて、もちろん電気がついてて明るい・・・「 えーっあらわすぎるー(笑)」 まぁ、申し訳程度にタオルのようなもので隠してもらいながら、脚立みたいな階段を上って手術台に自分で登りました。
しばらくすると、安らかな感じのBGMが流れ始めました。 リラックスさせるためでしょうか・・・。
そして、あれよあれよという間に先生がきて、麻酔にかかります。右を向いて背中から腰にかけて、たぶん消毒してもらって、腰骨を押し出すように丸くなるようにと言われて、、、 こわいよこわいよーと思いながら、麻酔の注射をしてもらいました。針が刺さった瞬間、 びくって反り返りそうになってしまって「まるめてまるめてー! 押し返してー!」みたいな感じで 言われて、必死に丸くなりました。
あっという間に右足の方から、しゅわーって感じで感覚が無くなっていって、下半身が動かなくなりました。その状態でもう一度手術台にあおむけにされ、右手に血圧計、左手に点滴をした状態で、十字架みたいにはりつけに・・・。
顔の前に、手術の様子が見えないように目隠し?がされて、 胸にはたぶんモニターの線が。 これが手術中何度も外れてピコーンピコーンなっていました。
午前8時半:いよいよ手術開始
帝王切開の判断をしてくださった ダンディな先生に加え、いつもの優しい院長先生が入ってきて、先生2人がかりで手術開始になりました。
麻酔が効いているのと、目隠しされているので、何が行われているか全く分からず。 たぶん麻酔が効いてきた頃だったと思うのですが おしっこの管を入れられました。 もしかしたら浣腸とかも 気づかないうちにされてたのかな・・・。
手術のはじめに 「これ、痛くないですよね?」 と先生がきいてくれましたが もちろん感覚なし。 定期的に私の右手に装着された血圧計が自動で動いて、血圧を計測。 スタッフの方が、その数値を 「血圧、◯◯の◯◯です」 とコールし、それを聞いて先生が たぶん血圧を上げるお薬?の 投与を指示しています。もともと血圧が低いので 何度か投与の指示がされてました。
これまた定期的に、スタッフの方が 冷たく濡らしたガーゼを上半身の数カ所にあてて、「これ感じますか?」 と麻酔が効いてるかチェックしてくれます。 胸のあたりは冷たいという感覚があったけれど、あばらより下は、感じませんでした。
右手に血圧計、左手に点滴とつけられて、手術台に十字架みたいに はりつけにされていたので 手術中ものすごく肩が痛くなって、スタッフさんに訴えました。辛かったです。
午前9時:誕生
手術はものすごいスピードで進んでいたようで、間もなく「もうすぐ赤ちゃん出まーす」 と声がかかりました。その前後に先生方2人が 「ん?やっぱ◯◯だな」 みたいな会話してるのが聞こえました。 思った通り?帝王切開にすべきだった異常がみつかったようでした。
しばらくして、「おめでとうございまーす!」 の声とともに、赤ちゃんの泣き声が!! スタッフさんが、私の顔の横に赤ちゃんを持ってきてくれて、見せてくれました!まだ生まれたての、白い膜みたいなものが身体にたくさん付いている状態の 赤ちゃんです! 「綺麗にしてきますね~」と、一度赤ちゃんはどこかに連れて行かれ、私の方は胎盤を出す段階に入っていました。
胎盤を出し終わると、内側の傷口を縫い合わせて、外側の皮膚は医療用のホッチキスで 縫合されました。この頃になると、先生たち2人は世間話をしながらの施術(笑)もう人手がいらなくなったのか、 途中で、院長先生のほうは退出 もう一人の先生が残りの縫合を一人でしてくださいました。
私はというと引き続き 肩が痛くて痛くて、、、 さらにこのとき急に麻酔の副作用と思われる吐き気が。 「吐き気がする」と訴えると、スタッフさんが吐くようの容器を、そばに持ってきてくれました。 吐き気はするものの吐くことはありませんでした。
身体を洗ってもらって綺麗になった赤ちゃんをもう一度スタッフの方が連れてきてくれました。 顔の横に並べて、写真を撮る様子。 ただ私はこのとき吐き気に襲われていて それどころじゃない。必死で笑顔を作りましたが 苦しかったです。 こんなわけで無事に 帝王切開は終了しました!
午前10時:しばしのお別れ
手術が終わり、先生も退出されたあとは、看護師さんや助産師さんが消毒液などがついた私の身体を拭いてくれました。それから服を着せてくれて、手術台からストレッチャー?に よっこいしょとのせかえてくれました。
そのままストレッチャーで手術室を出て、病室へ向かいます。 手術室を出ると母が待っていてくれて、手術室のすぐ隣の新生児室には 保育器の中に入れられた元気ちゃんが見えました。
助産師さんに起こしてもらって、こっち向いて手を振ってくれてました。とってもかわいくて癒されました。
帝王切開で生まれた赤ちゃんは、特に問題がなくても、24時間は保育器の中で預かってもらい、 経過観察になります。 まだ私もお世話できる状態ではなかったので、寂しいけれど、しばしお別れ。 母も、一度家に帰って行きました。
ストレッチャーから個室のベッドに乗せ変えてもらって、右手には血圧計、左手に点滴、 足にはエコノミー症候群防止のエアーマッサージャーが装着され、もうとらわれの身状態(笑) 両足はまだ完全に感覚がありませんでした。ぶよんぶよんで、激しく持ち上げられてるのすら わかりません。まだこのときは麻酔がきいていたので、お腹の痛みもなく、上半身は動くので、時折携帯を 気にしながら、しばらく寝たのか寝ていないのか、 よくわからない状態でひとりベッドの上におりました。
眠れない夜
手術当日の夕方、夫が到着しました。
帝王切開になると決まり、夫にそのことを電話で伝えたとき、私は、「誕生の瞬間には間に合わないから、今日無理してこなくていいよ」と言いました。 年末年始の休みには来てくれることが決まっていたので、2往復させるのは、時間的にもお金的にも申し訳ないと思ったからです。
それを聞いて、夫もしばらく考えたみたいですが、あとからLINEで『やっぱり産まれたばかりの元気ちゃんと、産んだばかりの(私)に会いたい! 』と言ってくれて、東京で予定していた大事な用事だけ済ませてから、こちらに駆けつけてくれることになったのです。
正直、そういってくれて涙が出るほど嬉しかったです。 やっぱり心のなかでは、来て欲しかったみたいです。
私はまだ完全には麻酔がとけていない状態だったので、ベッドに横になったまま、ポツリポツリと破水になったときのことや、手術の様子などを話しました。
そのなかで夫が「破水ってどっからするの?尿道??」 と、ありえないことを言ったので、私の笑のツボに入ってしまい、お腹の傷口が痛むのに、うっかり笑ってしまって、 それはもう痛くて痛くて、でも笑いが止まらなくて、本当に涙をポロポロ流し、 悶えながら笑いました。 これから帝王切開を予定されている皆様、これだけは言っておきます 手術後にうっかり笑い転げると、地獄を見ます。
夫はそのあと、私の母に近くの日帰り温泉へ連れて行ってもらい、お風呂に入って外で夕飯を食べて、消灯時間ギリギリに戻ってきました。
個室に付き添い用のベッドを入れてもらって就寝~。スヤスヤ寝ておりました。「寝に来ただけかーい!」と突っ込みたくなりました。 看護師さんにも、付き添いで来てもらったのに、全く付き添いにならないね~と 言われてしまいました(笑)
でも夜中に何度か痛い波が来て辛かったとき、一度だけ手を握っていてくれました。一度だけ(笑)まぁそれだけでもとてもありがたかったです。
後日談:これを改めて読んでみると、3人の出産を経験して、夫も成長したなぁと感じました(笑)
麻酔が切れてくると、 傷口なのか子宮なのか、 とにかくお腹が痛みました。まだ食事がとれず、痛み止めが内服できないので、お尻に注射と、坐薬での痛み止めでした。翌朝までに交互にそれぞれ2回ずつ してもらいました。なかなか効くまでに時間がかかって、 効くまでの時間が辛かった~。
夜は痛みで、ほとんど眠れませんでした。時間が経つのが本当に遅くて何度時計を見たことか・・・。辛かったけど、明けない夜はない!!と思って頑張りました(笑)
帝王切開翌日
痛みもつらかったですが、術後(というか帝王切開と決まったその瞬間から)なにも食べられないし 飲めないのが辛かったです。病院着いた直後から腹ペコだったのに。。翌朝には、流動食ながらも食事が出たので、少しずつ元気が回復しました。痛み止めが飲み薬にかわり、ナースコールで看護師さんを呼ばなくても自分で痛いときに飲めるようになったのも大きかったです。
そして1番は、娘と面会できたこと♡
手術から1日半ぶりに再会でき 嬉しくて、それで早くお世話できるように頑張ろう!と思えました!
出産と言っても手術は手術、お腹を切っているので、術後は痛みに耐え、リハビリに挑むのに気力が必要でした。
手術から2週間経つ頃には、傷口もふさがり、体調も全く問題なく元気でしたが、たまーにお腹がツーンと痛むこともあり、子宮を切ったことを考えると、きっとしばらくは無理はしたらダメなんだろうなぁと思いました。
帝王切開の場合は次の妊娠まで、出来れば1年半はあけたほうがいいと言われました。子宮にも相当負担はかかっているのだろうと思います。
後日談:結局2人目の妊娠は帝王切開から1年経つか経たないかでしたが・・・(笑)
緊急帝王切開になった理由
NSTの様子から、 先生がくだした緊急帝王切開という判断は結果的に素晴らしい判断でした。 私の出産の記録はこうです↓
赤ちゃんの態勢が「顔位」という ひとつの異常分娩でした。顔位とは、顎が上がって頭が後ろに反り返り顔面が子宮口に接している態勢で生まれてくることです。この場合、経膣分娩では母体にも胎児にも負担がかかり、なんらかの後遺症を残してしまう危険性もあるため、帝王切開が行われるようです。
しかし、これまでの健診では1度もそのような診断はされてこなかったのに、どうして顔位になったのか。ネットで調べてみたら こんな理由がありました。『胎児の伸展位で破水が起こった場合など。』つまり、赤ちゃんがお腹で のびーっと後ろに反り返った影響で破水してしまい、そのままの態勢から戻れなく なってしまった。と・・・。やっぱり、寝る前に感じた、のびーっとお腹が破れるくらいの 胎動、この動きが原因だった!?のかもしれません。 本当に破れちゃうと思ったんですもん。元気ちゃんは自分でお腹から出たいと思って、行動を起こしたんですね(笑)ちょっと猪突猛進しすぎて、苦しい態勢になっちゃったけど、、 えらい子だ(笑)
顔位のほかに、さらにへその緒が首にも足にも巻きついていたそうです。。。そんな気はしていたのだよ、、、 だってあんなに激しく お腹の中で動いていたからね。これはまたこれで、経膣分娩で産んでいたら超難産になっていた ことでしょう。。本当に、帝王切開で無事母子ともに元気に出産させてもらって、本当に本当に良かったです。お医者様はやはりすごいなぁ、、本当に感謝です。
後日談:のちに難病の『レット症候群』と診断がつく長女ですが、レット症候群は染色体の突然変異によるものなので、出産時の影響でなったわけではありません。緊急帝王切開でも、顔位でも、へその緒が巻き付いていても、普通に問題なく成長することがほとんどですので!そのあたりはご心配なく!です。
はじめての出産レポートまとめ
妊婦さんひとりひとり、思い描いている出産のかたちがあると思うけれど、何かあったときは、お医者様の言葉を信じて委ねる!!!!すごく大事だなと思いました。貴重な経験でした。これから出産の方には、一例としてこんなこともあるんだと思っていただけたら幸いです。不安にさせてしまったかな・・・大丈夫です!!こんなパターンごく稀ですから!!
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